夜、一人で過ごす時間に流す音楽は、
昼とは少し違ったものを選びたくなります。
派手すぎず、でも静かすぎない。
気持ちを落ち着かせながら、心地良い時間を過ごせる1曲。
この記事では、DJとして長く聴き続けてきた中から、
夜に一人でじっくり聴きたい90年代HIPHOPの名盤を
7作品紹介します。
一日の終わりに、静かに音楽と向き合いたい人に
おすすめの内容です。

令和の今聴いてもかっこいい、洋楽のアルバムをたくさん紹介するよ!
目次
なぜ90’s HIPHOPは「夜」に合うのか
- ビートが重く、Lo-Fiな雰囲気が落ち着く
90’s HIPHOPはJAZZ、SOUL、FUNKといった1970~80年代の曲を
サンプリングして作られたものが多いです。
そのため、自ずとシンプルな構成の曲が多く、音質もフィルターがかかったような
独特の味わいがあるためリラックス効果があります。 - メッセージ性が強い
90’sはまだまだ差別や貧困など、HIPHOPカルチャーはまだ荒んだ環境にありました。
その不満な思いを歌詞にしたり、「俺達はこうあるべきだ」という主張が強い時代です。
歌詞の和訳を調べてアーティストのメッセージに思いを馳せるのも良い時間になるでしょう。 - 余白のあるトラックが多い
90’s HIPHOPはいきなり歌詞から始まるのではなく、しっかりイントロがあり、
サビでは歌わずスクラッチのみ等、聴いていて余白が多い為とても聴きやすい曲が多いです。
夜に一人で聴きたい90’s HIPHOPの名盤7選
1.Common Sence / resurrection (1994)
- 音の雰囲気
絶対に外せない、定番中の定番。まさに夜に聴きたいHIPHOPの金字塔。
透き通るようなピアノループ、語り掛けるようなCommonのラップが素晴らしいです。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
部屋の明かりを落として、ゆっくりソファに座って聴くと最高です。
恋人と一緒に聴くと一気にオシャレなムードに。
お酒はワインやウィスキーが合うかも。 - DJ目線から見て一言
来世まで持っていきたい珠玉の一枚。クラブでも数えきれないほどお世話になりました。
アルバムって、「本当にかっこいい曲は数曲だけ」って事がよくあるけど、
resurrectionはタイトル曲をはじめ、「This is me」「Communism」など
全ての曲が最高のクラシック!!
2. JAZZMATAZZ / Volume Ⅱ THE NEW REALITY (1995)
- 音の雰囲気
思わず踊りだしたくなるようなキャッチーな曲から、クールでシブい曲まで収録。
GangstarrのGURUのいぶし銀な声とフロウが絶妙にJAZZYトラックにハマる名盤。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
音楽に夢中になりたい夜ってありますよね?
片っ端から貪るように聴きたい夜。
そんな夜にこのアルバムはぴったりです。
あなたに最高のグルーヴと高揚感を与えてくれるでしょう。 - DJ目線から見て一言
まず、ジャケットがかっこよすぎ。
東京のディスクユニオンで一目惚れして、レコードを手にした記憶があります。
中身はもちろん最高で、ダンサーや女性客に対しては「Feel The Music」を、
耳の肥えたリスナーさんに対しては「Respect The Architect」や「For You」をかけてたなぁ。
3. THE ROOTS / do you want more?!!!??! (1995)
- 音の雰囲気
従来のデジタルで打ち込まれたHIPHOPではなく、
HIPHOP BANDとしての生音の暖かさやグルーヴィンな雰囲気が詰まった一枚。
Quest Loveの乾いたドラムが最高にオシャレな、スーパークラシック。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
一人で暗い夜道を歩いているとき、イヤホンで聴くと最高です。
汚れた雑踏を歩いている自分の事さえ、好きにさせてくれるような作品です。 - DJ目線から見て一言
「Proceed」、「Distortion To Static」、「Mellow My Man」をはじめ、
他の曲も、レコードからノイズが出るほど聴き込んだ素晴らしいアルバム。
日本ではMiddle School系のダンサーや、アンダーグランドHIPHOPが好きな
ヘッズにウケが良かった。いつもレコード箱に準備していた名盤っすね。
4. A Tribe Called Quest / People’s Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm (1990)
- 音の雰囲気
JAZZY HIPHOPの先駆けといえばこのアルバムを挙げる人も多い、1990年の作品
全体的に当時のHIPHOPらしい無骨な曲が多く、今でもクラブ映えする名盤。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
お酒でいうとコロナビールが合いそうな雰囲気です。
JAZZY HIPHOPにありがちな「オシャレ!」って感じではなく、
男らしい陽気さ、爽やかさを演出してくれると思います。 - DJ目線から見て一言
A Tribe Called Quest(ATCQ)のアルバムはどれにしようか、本気で1時間悩みました。
それぐらいどのアルバムも素晴らしいけど、夜聴きたくなるのは
このアルバムに収録されている「Bonita Applebum」かな。
もちろん他のアルバムに入ってる「Jazz(We’ve Got)」とか、「Electric Relaxation」も
捨てがたいけどね。
5. InI / CENTER OF ATTENTION (1996)
- 音の雰囲気
Pete Rockの天才的なサンプリングセンスが光る、浮遊感と煙たさが漂うアルバム。
どこか哀愁や寂しさを感じるトラックが中毒性抜群。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
これは個人的な見解ですが、寂しい夜に聴きたいアルバムです。
友達にも恋人にも会わない夜や、夜遊びの帰り道など。
なぜそう感じるのかは言語化できませんが、同じ雰囲気を感じる人も多いのでは? - DJ目線から見て一言
「Step Up」、「Think Twice」、「Fakin’ Jax」など、他の曲も捨て曲無しの傑作アルバム。
クラブでもかなりプレイしてたけど、大人になった今、心に染みるのは
アルバムタイトル曲「Center Of Attention」。ザ・哀愁Lo-Fi HIPHOP。
6. DRED SCOTT / BREAKIN’ COMBS (1994)
- 音の雰囲気
JAZZ FUNK感のある太くて硬いビートの上に、浮遊感のあるネタが疾走するアルバム。
落ち着くというか、夜のテンションを上げてくれる作品。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
「夜だけど今から何かしよう!」と思っている時、心のVibesをあげてくれます。
全体的に正統派90’s HIPHOP感が強く、寝る前ではなく活動前に合うのでは? - DJ目線から見て一言
名盤という括りの中では、比較的マイナーな作品。
90’s HIPHOPが好きな人でもDRED SCOTTを知らない人が多いのでは?
と思って紹介してみました。
「Back In The Day」が有名だけど、夜聴きたくなるのは「Check The Vibe」。
この深海みたいなエレピループ、黒過ぎる。
7.Buckshot Lefonque / Music Evolution (1997)
- 音の雰囲気
ウッドベースとサックスが心地良い、JAZZにかなり近いHIPHOPアルバム。
大人っぽい落ち着いたBPMと当時の空気感を感じさせる雰囲気が最高です。 - 夜のどんな雰囲気に合う?
一人でタバコを吸ってるとき。物思いにふけっている時。
ぼーっと過ごしたい夜。それぐらいの気だるい雰囲気に似合うアルバムです。 - DJ目線から見て一言
「Music Revolution」のDJ Premier Remixはタイトなピアノループがかっこよくて
当時は血眼になってレコードを探した。(なかなか見つからんのよ…)
ここではあえてアルバムバージョンを紹介。
ジャケットもカラフルでかっこいいよね。
まとめ
90年代HIPHOPには、
夜にこそ響く空気感があります。
今日紹介した名盤は、
どれも時間をかけて聴き続けられる作品ばかりです。
気分やその日の疲れ具合に合わせて、
自分に合う1枚を見つけてもらえたら嬉しいです。



夜に音楽を聴くことはリラックス効果や睡眠導入に役立つってデータもあるよ!でもHIPHOPだから、テンションが上がり過ぎて眠れなくならないように注意!



